カールトン&ザ・シューズのこのアルバムがいつの間にか紙ジャケで再発されてたので慌てて購入。いわゆるロックステディの超ド級の名盤です。グループ名義ではありますが、ほとんど中心人物カールトン・マニングの一人ユニットであるようです。ちなみに元々は"Carlton And The Shades"と名乗っていたのに、名前の誤植が元でShoesにされてしまったという悲しい過去が。ロックステディとはいえ、バックトラックだけ聴くと(つまり歌い手が代われば)もうほとんどルーツ・レゲエと言ってもいい、ドッシーン…と気合い入った演奏です。しかしそこに乗るのがインプレッションズ・マナーに従ったカールトン・マニングによる甘く、そしてすっとぼけた一人多重録音コーラスなわけで、「締めるところは締めて、弛緩させるところは弛緩させる」バランスの妙が味わえます。フィッシュマンズファンはM2「ギブ・ミー・リトル・モア」を聴くとひっくり返るのではないでしょうか。M2,3,7がおすすめです。
このCDにはルー・ロウルズとかキャノンボール・アダレイとか彼がプロデュースしたものも入ってるんですが、断然個人名義の作品の方が面白い。とりとめのない白昼夢のようなイメージが次々に沸き上がってきて、まことに好き勝手やってます。DJ Shadowの"Midnight in a Perfect World"ネタの"The Human Abstract" とか鳥肌モンのかっこよさ。他にもDr.Dre,Pete Rock,Madlibらがサンプリング。オリジナルアルバムも聴きたい。
The New Mastersoundsも実に素晴らしく、阿呆みたいに毎日聴いてますが、それにも増して似たような「00年代/UK初/白人ファンク」枠でよく聴いてるのがこちらです。気の早い話ですが、これ私の今年のベストになるかもしれません。全Free Soulファンが落涙するあの感じ(泣きながら踊れ!)がガンガン続きます。ところどころスティーリー・ダンとかアヴェレイジ・ホワイト・バンドっぽい感じもするのが、ジャミロクワイ/サミュエル・パーディを生み出した国の為せる業というか、なんというか。アシッド・ジャズ後と思えないどっしりとした安定感。歌モノが多いので通して楽しく聴けます。スライのカヴァーも最高!
南米の気だるい午後のレストランのオープン席を思わせる(いや、行ったことないですけどね)ジャケットの、テーブルの上のタバスコにこそっとアルバムタイトルが書いてあるのが粋ですね。私はヴィヴラフォンの音って大好きなんですが、ラテン・ジャズとは非常に相性がいいです。カル・ジェイダー、ほんと好きなんですよね。少なくともライオネル・ハンプトンみたいに歌いまくらないだけいいw。MODS系の音楽のコンピとかにも入ってたりするからMODSたちにも好まれたのかも知れません。今アルバムの中では"Somewhere in the Night"って曲が一番好きです。真夏の午後に昼寝しながら聴いたら最高だろうな。
大胆不敵な谷村新司「青空」のサンプリングから圧倒的なスケール&音圧で始まるブレイクビーツ・ミュージカル(まさしく!)。これは最初「TSUTAYA」の視聴機で聴いたんですけど…ヤバかったですね。感覚としてはThe Flaming Lips "Soft Bulletin"の一曲目"Race for the Prize"が始まるときと同じぐらいの足がガクガクするほどの衝撃が…。現在いとうせいこうが加入してますけど、個人的には入る直前のこのアルバムと次のアルバムまでがベスト。彼らのいいところは歌ものにしてもRAPにしても、人工的で飄々とした爽やかさがあるところだと思うんですが(情報量抱負なのに頭でっかちになってない)、いとうせいこうが入ることによってレベル・ミュージック的なもっさりした「重さ」を感じてしまいます。だからこのアルバムの中でもfeaturingいとうせいこう「おばけ次元」はあまり好きではありません。それでも彼らと相対性理論が今現在一番私の注目している日本人ミュージシャンであることに変わりはありません。
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