新年一発目の「MUSIC」カテゴリの更新はビートルズにしようと決めてたのですが、ボックスセットの中に「レット・イット・ビー」「アビー・ロード」が入ってないので買い足さなきゃいけないという衝撃の事実に気がついたためこちらの名作を取り上げます。
スティール・パンの音は私にとってはただふわふわしているだけの存在ではなく、勿論美しいのですが、むしろかなり圧力がかかった音として耳に迫ってきます。大所帯のグループだけでなく、楽曲の中で隠し味的に使われてるときでもそうです。
こちらエッソ・トリニダード・スティール・バンドは「エッソのドラム缶の質がよかったから」というかなりイージーな名前の付け方をされたバンド。ヴァン・ダイク・パークスという60年代後半ビーチ・ボーイズを良くも悪くもすっかり変えてしまった、アメリカ音楽界の飄々とした黒魔術師であり鬼才、によるプロデュース。カリプソ入門編としても最高の選曲ですが、「いとしのセシリア」とか「アイ・ウォント・ユー・バック」みたいなベタなアメリカ音楽をやればやるほど感じる批評性は、ジミヘンの弾く「星条旗よ永遠なれ」を上回っているように思えます。湯浅学氏によるライナーノーツも勉強になりました。楽園的革命。
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