HLS

Les Paul & Mary Ford "The Very Best Of"

バンドでギターやってたことある人なら一度は耳にしたことのあるはずのギブソン社レス・ポールモデルの生みの親、レス・ポールおじいさんの名曲名演集…というとハード・ロックみたいなのを想像する人も多いかと思われますが、やってる音楽は実に人懐っこく、ポップ。しかし彼の恐ろしいところは、その大衆性を蔑ろにすることなく、尽きることのない実験を日夜繰り返していたというところにあります。しかもそれが「ビートルズ」みたいに、ライブ活動をすっかり投げ打って眉間に皺を寄せて没頭していたというわけではなく、「こうしたらもっとみんな面白がってくれるかな？」というサービス精神と、猫がおもちゃとじゃれているような無邪気さ（テクノでいうところのマックス・ツンドラ的）から行われているところに、私は深く感じ入ってしまうものがあります。別に「ビートルズ」が駄目だといっているわけではなく、レス・ポールは凄く「大人」だなあ、と思ってしまうのです（そんなこと言ったら『レディオヘッド』なんてただの赤ん坊ですけどね）。しかもその結果もたらされた彼の音楽が、凡百のいわゆる「先進的な」音楽より断然近未来を感じさせるものになっています。我々の科学技術がどれだけ進歩していこうとも、そのちょっと先を照らすような「近未来」性。それはつまり彼の音楽が「どこの時代にも属していない」浮遊感を獲得している、ということでもあるわけですが（彼の音楽から感じる非日常的リゾート感は、きっとそこからきているに違いありません。ちょっとハワイアンぽいところもあります）。書き忘れましたが、テクニックも勿論物凄い（それだって、芸の一つだから、というちょっとしたサービスで行っているところがまたニクい）。私は彼の音楽についてはこれぐらいしか語れないんですが、2008年に彼の伝記映画が作られてまして（ポール・マッカートニーからロン・ウッドからリチャード・カーペンターから要人がずらり。ポールは『ビートルズがライブで初めて演奏した曲はレス・ポールのハウ・ハイ・ザ・ムーンだ』と発言）、そちらをご覧いただければ一発かと。

 

ちなみにレス・ポールは昨年亡くなったそうですが、94歳で亡くなる直前までニューヨークでライブを行っていたそうです。きっとそのときもニコニコと超絶技巧を繰り出していたことでしょう。

Teenage Fanclub来日公演に行ってきました。

10/20（水）のティーンエイジ・ファンクラブ日本公演に行ってきました。今月は5日ぐらいしか休みが無かったんですが、運良く指定休の水曜と重なっていたので。私はほとんどライブって行かないんですが、ティーンエイジ・ファンクラブとなれば話は別です。

ネタバレ気味なので一応畳んでおきます。

Bobbi Humphrey "Blacks and Blues"

これ最初に聴いたとき、あ、このコーラスの感じはどっかで聴いたことあるぞ…と思ったんですが、それはドナルド・バードの「ストリート・レディ」（'73）でした。それもそのはずで両方ともマイゼル・ブラザーズプロデュース作品だったんですね。バックはギターがデヴィッド・T・ウォーカーにドラムがハーヴィー・メイソン、ベースがチャック・レイニーとどう考えても綻びようがない万全さ。私は完全なフュージョンになると全く興味は失せるんですが、このへんの音楽は大好きだなあと思いました。時々歌う彼女自身の声もリンダ・ルイスっぽく、黒人の少女みたいな可愛らしさです。もっと歌ってほしかったです。レア・グルーヴ！

David Axelrod "The Edge"

最近どうもこういうアブストラクト・ヒップホップの元ネタみたいなのばかり気になって聴いてしまうんですが、そういった絡みからデビッド・アクセルロッドのことも知りました。これは彼がキャピトルで手がけた音源を集めたものなんですが、これが実に奇妙な、既聴感のない音楽であります。なかなか説明するのは骨が折れるんですが、上ものは恐怖映画のサントラのようで、それが非常にファンキーなドラム＆ベースに乗っている。ファンキーというか、ドラム＆ベースだけ聴いているとこれはブレイク・ビーツなのではないか？と思ってしまうぐらい時代性を軽く無視した音です。この時代にここまでビートに意識的になっていた人がいたこと自体驚きです。これは白人である彼が黒人に囲まれて育ったことと勿論無関係ではありますまい（自分を黒人なのではないかと考えていたときもあったそうです）。かといってベースが突如前面に出てくるところはジャズ的でもあり…ほんとに時代から浮いてる音楽だと思います（ちなみにベースはキャロル・ケイがやってるらしく二度びっくり）。そして全体を貫くのは煮え切らぬ、パラノイアックな、西海岸的退廃というか「暗さ」です。彼自身も相当ワルかったらしく若いうちから相当ヤバい道を歩いてきたそうですが（考えられる限りのドラッグをやったとか）、そのダウナーな感じがじわじわ染み出しています。

このCDにはルー・ロウルズとかキャノンボール・アダレイとか彼がプロデュースしたものも入ってるんですが、断然個人名義の作品の方が面白い。とりとめのない白昼夢のようなイメージが次々に沸き上がってきて、まことに好き勝手やってます。DJ Shadowの"Midnight in a Perfect World"ネタの"The Human Abstract" とか鳥肌モンのかっこよさ。他にもDr.Dre,Pete Rock,Madlibらがサンプリング。オリジナルアルバムも聴きたい。

最近買ったもの（2010年10月）

BLOGというものをやったことの無い人のために言っておきますと、記事を書くのと書かないのでは露骨に顕著にアクセス数に差が出たりします。私は絶えず他人の顔色を伺いながら日々をやり過ごしてる小市民なので、そういうのを結構気にしたりします。それにしても自慢じゃないですが、アクセス解析とかたまに見てみると国内ではほぼ47都道府県全部、さらにアメリカやらタイやら韓国やらアイルランドまで色んな国の人が見てくれてるようです。たまたま検索で引っかかっちゃったんでしょうが、実に21世紀だなあと思ってしまいます。

という訳でここ数ヶ月以内に買ったものでも晒して繋いでおきます。

ユニクロの防風ジーンズ。まだ履いて外出してないですけど、なかなかいい感じ。なぜ外に出れないかというとまだ裾挙げしてないからです。

グレゴリーの定番、デイパック。コシのあるナイロン製。ツーリングに使いたいと思います。

「ちゅらさん」総集編と「スウィング・ガールズ」プレミアム・エディションのDVD。両方中古で半額ぐらいで買いました。以前も述べましたが、「ちゅらさん」はこれ以前と以降では人生すっかり変わっちゃったんじゃないかというぐらいハマりました…こんなことになるとは思わなかった…恐ろしい。もはやKiroroとか「電車男」（主演二人が出てるんで）ぐらいまで手を出しそうで怖い。総集編はサクッと観られていいんですが、どうしても物足りなくなって完全版を観たくなってしまいます。

「スウィング・ガールズ」もハマりました。上野樹里も良いですが、やはり私はトロンボーンの関口さん（本仮屋ユイカ）が好きです。プレミアム・エディションは彼女たちの厳しい練習風景とか日本全国とアメリカでの公演の様子が収められている特典DVD付き。

それにしてもここまで丸くなった私のBLOGはいったい何処へ行こうとしているのでしょうか？

モーモールルギャバン「野口、久津川で爆死」

親って「あんたこんなの聴いてるとバカになるよ！」ってよく言いますけど、これ聴いててその言葉を思い出しました。確かにそうかもしれないなあ、と思ってしまいました。でもこれかなり好きです。ツーリング仲間の小早川君がライブに行ってきたというので、興味を持って聴いてみました。

こういう感じの最近の日本のバンドって私は結構好き嫌いはっきり分かれちゃうんですが（嘘つきバービーとか凛として時雨とかは全然ダメで、相対性理論とか神聖かまってちゃんとかは大好き…個人の感想ですよ…）、モーモールルギャバンはいいですねー。何でかって言われても全然わからないんですが、初めて聴いたときからしっくりきました。実にいい具合にJ-POP（本人たちはそう言っているそうです）の意味を取り違えた三人組です。インタビューとかも頭悪そうで非常に好感持てます。しかし実際は年間100本以上のライブをこなす実力派であり、勉強熱心なんじゃないでしょうか。80'sのフィーリングを直感的に理解して先鋭化してます。ディスコティック！という感じです。もっともっとそっちに振り切れて欲しい。楽器だけのアンサンブルになったときに個人的にはグッときましたし、あんまり歌詞がピンとこなかったので、インストだけのアルバムも聴いてみたい。私が求めていた次世代J-POP！

The Wooden Glass featuring Billy Wooten "Live"

Amazonで買った何枚かのアルバムを寝っ転がって流し聴きしていて、思わず飛び起きた驚異のジャズ・ファンク。つまらない瞬間がほとんど見つからない。この前のメイシオ・パーカーも凄かったけど、これもまた私の今まで聴いたライブアルバムの中でもベストの一枚。帯には仰々しい言葉の数々が並んでいますが、全く言い過ぎではありません。他人と同じ楽器を使っているはずなのに、どうしてこんなケダモノのような音像が現出するのか、という素朴な疑問を抱かせます。

 ビリー・ウッテンという人はヴァイヴ奏者で、グラント・グリーンがブルーノートに吹き込んだアルバムに加わっていた才人。しかしこれはいわゆるモダンジャズではありません。全編アブストラクト・ヒップホップのサンプリングソースに切れるような、むしろこれがアブストラクト・ヒップホップそのものであるかのような驚異的にタイトなドラム。そこにワウをかませたギターとこれ以上なくファンキーなオルガンが加わるコンボなんですが、一歩踏み外すとあとは奈落、というドス黒いグルーブが横溢しています。特にヴァイヴとオルガンによるカカオ90％のチョコレートのような甘く分厚い壁！とても四人の演奏と思えない！狭い地下の蒸し風呂のようなクラブに集まっていることを想起させる、オーディエンスも（嫌が応にも）盛り上がる。それらがやさぐれた音質で耳に届いてくるときの快楽たるや！この良さはうまく言葉になりませんね。ジョージイ・フェイムのフラミンゴでのライブを真っ黒けにしたようで、ジミー・スミスのオリジナルアルバムとか聴いてるより断然面白いです。とにかくおすすめなので一度聴いてみて欲しいです。

 

西伊豆ツーリング2

「やまや」を後にした我々は西伊豆にぴょこんと突き出た「大瀬崎」を目指しました。ここには砂浜もあるのですが、ものすごい数のダイバーがいます。黒いウェットスーツを着たダイバーたちが100人ぐらい蠢いているとなかなか壮観です。

西伊豆ツーリング1

前回の房総棚田ツーリングの帰りに「次回はまた伊豆だな」みたいな流れになっていたので、とうとう3回目の伊豆ツーリングです。初めて行ったのが2006年で、そのときはトラブル満載でそれはそれで面白かった（オレンジ上司のマフラーが落ちたり）。前回は伊豆の真ん中を突っ切って下田まで行ったんですが、ループ橋ぐらいしか見所はありませんでした。そこで今回はいきなり西伊豆に出てしまおうという魂胆です。

NYC旅行記 5-6日目

NYC5日目。本日帰国です。忘れ物がないか入念に確認してチェックアウトし、自然史博物館の前でタクシーを拾い、JFK空港へと向かいました。帰りは疲れてたんでずっとタクシーです。それでも40$ぐらい。まだまだ時間があったのでピザとミネラルウォーターを食べていると、空港の中なのに鳥が飛び回っていました。確かに広いとはいえ周囲は特に驚いた様子もありませんでした。

NYC旅行記 4日目-2

私はユニオン・スクエアという公園で行われているファーマーズ・マーケットにやってまいりました。ここは近郊の農家の方が毎週月・水・金・土と採れた野菜を持ち寄って売っている青空市みたいな感じです。

NYC旅行記 4日目-1

マンハッタン滞在4日目。5日目はJFK空港へ行くだけなので、実質的に動けるのは今日が最後ということになります。

NYC旅行記 3日目

マンハッタン滞在3日目です。だいぶ地理も掴めてきたので（大きさとしては山手線の内側をうろうろしてるような感じなので誰でもすぐに把握できます）、今日からはガンガン自分で動いて行きたいと思います。

NYC旅行記 2日目-3

私は5th Streetのアップルストアの前で車を降ろしてもらい、中に入りました。Macで色々と調べたいことがあったので（iPhoneのパケット代定額が使えることに気づいたのはその後）。店はここから階段あるいはエレベーターで下ったところにあります。ひっきりなしに人が出たり入ったりしているので落ち着かないことこの上ありません。ちなみにこちらは24時間営業。ネットし放題ですが、どのMacの前にも人がいて触れませんでした。

NYC旅行記 2日目-2

国連本部を後にした我々は、Colombus Circle駅にほど近いタイム・ワーナー・センターの地下のフードコートで食事をしました。よく考えてみればNYCで初のちゃんとした食事だった（夜は基本的にホテルで持参したダイエット食品を食べてました）。美味しかったですよ。

NYC旅行記 2日目-1

NYC2日目。本日は現地ツアーに申し込んでみました。3日目からガンガン自力で動いていくためにも、まずマンハッタンの全体像を掴んでおきたい。ツアーはヒルトンのロビーで待ち合わせなので、まず地下鉄でマンハッタン中心部へ移動します。とりあえずヒルトンの近くまで来ましたが、まだ待ち合わせには時間があったので付近をぶらぶらしてみました。

NYC旅行記 1日目

和歌山から帰ってきた翌日。私はリモワのスーツケースに荷物を詰め込み昼頃家を出ました。

和歌山旅行記 2日目

翌日早朝。今日は足を伸ばし白浜までドライブしてみたいと思います。4時には列車が出るのでなかなかタイトなスケジュールです。本日のドライバーは私。

和歌山旅行記 1日目-2

潮岬と大島を後にした我々は、古座川の一枚岩を目指しました。こちらの道の駅で南高梅の梅干しを買おうと思います。

和歌山旅行記 1日目-1

この夏休みは旅行に明け暮れていました。最初に三泊四日で筑波山に行って（これはただの会社のイベント）、次の日から一泊二日で和歌山へ。さらに帰ってきて次の日から6日間NYCへ…。正直これほど旅行に明け暮れた夏もありませんでした。じゃあもうお腹いっぱいかというと、そんなこともないんですよね（笑）旅行って行けば行くほど行きたいところ増えていくような気がします。