先日姉と近所の「ヴィレッジヴァンガード」にいたとき(なぜそんな人とそんなところにいたかは割愛)、なんか素敵な音楽がかかってるなーと思ってレジに行ってみたら、冨田ラボの「Shiplaunching」でした。冨田ラボの名前は耳にしたことあったんだけど、音楽はそのとき初めて聴きました。構造としてはもう純度100%混じりけなしの、大書きして廊下に貼り出したいぐらいの「シティ・ポップ」って感じだけど、全然悪くないなーと思いました。私はどうもパリスマッチとかキリンジとかって好きになれなくて、なにがどう駄目って上手く言えないんですけど、やっぱ駄目なんですよね。じゃあ富田ラボと彼らはどう違うのかっていうとこれもよくわかりません。教えて欲しいぐらいです。だってキリンジなんて冨田ラボのアルバム両方に関わってるんだからよけいわけがわかりません。まあいいや…。とにかく冨田ラボはすんなり「入って」きました。
全ての楽曲に共通しているのは腰骨の上、おへその下あたりで定位しバウンスするグルーヴであります。職人たちが持てる職能をいかんなく発揮し、ギターがちゃんとフレーズを弾いていた(つまりパワーコードを押さえてはいなかった)70年代の遺伝子を受け継いだ音楽であります。「レアグルーヴ」とか「スウィートソウル」「フリーソウル」なんていう単語にピクッと反応(やらしいですね)してしまう人が好みそうな音楽でもあります。目新しいことは何もしてはいませんが、それは現代において目新しいことってなんだろう?という不毛な議論になってしまうので…。今まで出た楽曲単位でいうと、1st収録でfeaturing畠山美由紀の「耐え難くも甘い季節」が一番好きなんですが(PVも最高)、アルバムだとこちらの最新作「Shiplaunching」を推したいです。featuring Soulheadの「Like a Queen」いいですねえ。ケミストリーとか高橋幸宏+大貫妙子とか人選が豪華なんだけど、個人的にはこういう場合ってそういうのを意識させなければさせないほど成功だと思ってます。そういう意味では全ての楽曲が拭い難く「冨田ラボ」であるこの作品は成功であると言えるのではないでしょうか。
こういった音楽はぜひ晩秋の鎌倉あたりをドライブしながら聴いてみたいです。もちろん私の場合助手席には誰もいないんですが…ってやかましいわ!
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サンボマスターってかっこいいですよね(笑)なんとなく(ほんとになんとなく)手を出さずにいたんだけど、聴いてみたらガッと燃えてくるものがありました。個人的には山口さん=ジム・モリソン説を提唱してみたいです。こういう実例をみちゃうとやっぱり人格形成に、厳しくジェントルで、且つ芳醇な音楽体験っていうのがどれほど寄与するかってのがまざまざとわかってしまいますね。型が定まっていないとシャウトすることも出来ないわけですよ!(←無論サンボマスター風)音楽の構造は真逆といってもいいけど、ダニエル・ジョンストンと同じように「キワモノ」的な印象(そういう風に売り出すほうが悪いのは言わずもがな)を取り払ったとき初めて真の姿が見えてくるはずです。というわけでダニー・ハサウェイネタのタイトルも興味深いこちらをお勧め。
Youtubeで「ミュージックステーション」に出演したときの動画を見たんだけど、あのハラハラする感じになぜか懐かしさを覚えました。
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