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ニューソウルのどこらへんが「ニュー」だったのかということに主眼をおいてみると、当然の理として、マッシブ・アタック新曲への参加なんていう噂もちらほら聴かれるこの才人に辿りつくことになる。一通り聴き終えてみて確かに雨降りの後(スコールではない…まだぱらつく霧雨が残っているような感じである)の清涼感はあるんだけど、なにかしら未解決のものを残すことになる。そこでさらに数回聴き直してみて感じることは女性コーラスの異様さである…ということに気がついた。特にもの凄い奥行きがあるということではないんだけれども、情念それ自体が揺らめいているとでもいったようなとにかく不思議なコーラスである。これがテリー・キャリアー自信の朗々とした声とアコギの滑らかなストローク(アコースティック・ギターの使い方に特徴があるソウル作品というのもまた珍しいだろう)とあいまって、新しい種類の壮大さを現出させることに成功しているのではなかろうか。意外とテリー・キャリアー自体の資質としてブルースに根ざしているようなところが垣間見れるので、女性コーラスとの絡みに独特の質感がある。たまにスコット・ウォーカーを聴いているのではないかと耳を疑ってしまうことがある。
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