しばらく聴いてなかったんですが、ジム・オルークプロデュースということで期待して購入。オルークプロデュースらしく、ストリングスやエレピ等多彩な楽器を使っているのに作り込まない、声の震えまではっきり聴き取れるバラけた音像が生々しい。ディランというよりニック・ドレイク作品のような、弾き語りから弦楽四重奏へ、さらに最初の曲調に戻るという不思議な「ジョギングしたり、タバコやめたり」、ポエトリー・リーディングの「街の灯り」など、バラエティは増えたが表現の純度はさらに高まったように思います。「君の髪を撫でていると僕は君のお父さんか君の子供にでもなったみたい(『興味があるの』)」というところに酢を思いっきり嗅いでしまったときみたいなむせ返るように濃密な詩情が立ちこめます。素晴らしきストリート・ロッカー。
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