ミレニウム/サジタリアス級のめくるめくコーラスワークが堪能できるわけでもなし、かといってソルト・ウォーター・タフィー級の振り切れた確信的バブルガム臭があるわけでもなし…と何気なく流していたらいつの間にか久々のソフトロック愛聴盤になってました。確かにこのアルバムの良さはちょっとわかりにくい。全部が80点ぐらいの優等生的アルバムだと思います。ソフトロックと言ってもそれぞれ味付けも出地も異なる訳ですが、トリステ・ジャネイロはうっすらと漂うブラジル風味が特徴であり(だからボサノヴァっぽいニルソン'Without him"とか凄く相性いいし、狙いがいい)「踊れない初期セルメン」といった趣きがあります。あと(おそらく演奏者の技量が足りてないので)音が詰まっていないところがかえって良いし、永続的な魅力に繋がっていると思います。ラヴィン・スプーンフルの"You didn't have to be so nice"のカバーは絶品!サイケな若者たちがこっちに向かって走ってくるジャケットはちょっと怖いです。
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