シルバーウィークはてっきり四日間丸々休めるものとばっかり思っていたんですが、現実というのは絶えず冷徹であり結局休めたのは最初の二日だけでした。そこでシルバーウィーク前日の夜中に、後輩ののえ君を誘って(急で申し訳ない…とも思ってない)、久々に湘南と鎌倉に日帰りで行ってみることにしました。最近また湘南に行ってみたくて、実は二冊もガイドブックを買っていたのです。
終電で家に帰ってから1時間ほど仮眠をとり、早朝5時に待ち合わせ場所の川口の「アリオ」に行くと珍しくのえ君が先に着いていました。相変わらず私が売ったアノラックとデイバッグ持ってるな…。
挨拶もそこそこに川口駅前で給油して、環七とR1を経由し一路鎌倉を目指します。何でこんな早い集合なのかというと、勿論連休初日の環七とR1なんて大渋滞が予想されるわけで、夜が明けきる前に都内と川崎、横浜を通過してしまおうという魂胆です。
これが功を奏したのか、さすがに都内も横浜もガラガラで一時間半後ぐらいには横浜を過ぎました。そこで目に付いたマックで朝マックをもそもそ食べながら休憩。本格的に鎌倉を目指します。食べると眠くなるのがツーリングの常ですが、ブラックのコーヒーをがぶ飲みしてこらえる。
まずは私が今回どうしても行きたかった「報国寺」を目指します。鎌倉街道で北鎌倉を抜け、鶴岡八幡宮の前を通り地図を見るため立ち止まり、ふと周囲を見渡すと「頼朝の墓」の案内が。とりあえず行ってみることに。
頼朝の墓は小高い丘の上にあるのですが、鎌倉幕府初代将軍の墓にも関わらずひっそりと(というか閑散と)しており、特に見所もなく下りてきてしまいました。そういえば頭上でがさがさっと動くものがいて、何かと思ったら野性のリスでした。
頼朝の墓を早々に引き上げ、竹林で有名な「報国寺」へ。1334年天岸慧広によって開山された、臨済宗建長寺派のお寺です。
本堂を覗くと中は厳粛な雰囲気の中で座禅を組んでいる人たちが。でもよく見るとお坊さんっぽくありません。あとでわかったんですが、このお寺では「日曜座禅会」ってのをやってるそうで、一般の人でも座禅を組み、精進料理をいただくことができるそうです。うーむ参加したい…。ただ朝7:30からってのがなあ。
本堂の横でお金を払い、中に入っていくと圧巻の孟宗竹の竹林が!実に見事であります。
約2000本生えているそうです。よく手入れされているのがわかります。
さらに奥に進むとその竹の庭に対面するように作られている「休耕庵」という茶席が。茶席っていっても正座して頂くという感じではなく、ベンチに腰掛ける感じだからオープンカフェみたいです。ここはほんとに落ち着きました。まだ朝の早い時間だから人もいないし、竹林と茶席を貸しきってるようです。すごく清々しい。
ここは抹茶オンリー(笑)なんですが、私は生まれて初めて抹茶飲みました。落雁二つと一緒にいただくのですが、落雁をちびちび齧りながら抹茶飲むのはほんとにいいものですね。「まさに私が求めていた場所だー!!」って思いましたからね。また一つ国内のお気に入りの場所が出来ました。外人の友達なんか出来たら真っ先に連れてきたい…まあ日本人の友達も少ないのに無理だろうなあ。蚊がいると蚊取り線香を持ってきてくれます。
次は報国寺の向かいに位置する鎌倉五山・第五位の浄妙寺へ。鎌倉五山に関しては円覚寺と建長寺は行ったことあるんだけど、それ以外は初めて。「鎌倉五山巡り」ってのもいつかやってみたいです。浄妙寺は1188年、足利義兼が開基。
こちらのお寺は幾度もの火災でほとんどが焼失してしまっているそうで、本堂が当時の面影を残すのみ。しかしこの本堂のシンプルな佇まいが実に良い!こうなるとほんとに火災で消失したことが悔やまれます。
こちらのお寺では枯山水の庭園を見ながらお茶がいただけるとのことで、ちょっと茶席の前でのえ君と相談の末(「こんなに茶ばっかり飲んでるのもどうなのよ!?」みたいな…)、結局入ることに。
浄妙寺の茶席は「喜泉庵」という名前で、目の前の立派な枯山水の庭園を眺めながら抹茶がいただけます。かなり大きな茶室で、25mプールぐらいの大きさがあります。今回は私は冷たい抹茶を注文し、庭園が眺められる赤い毛氈に座りました。報国寺の茶席は普通に座ってれば良かったんだけど、ここは畳の上なのでちょっと緊張してきました。茶道なんて全く習ったことなくてさっぱり作法を知りません。まあでも店員さん(というのか?)以外誰もいないし、まあ別にいいだろうと普通に正座してぼりぼり落雁を食って冷たい抹茶を飲みました。その後私より若いOL二人組みがやってきたんだけど、この二人は流石に作法を完璧にマスターしているようで(どこで習ったんだろう?)恥ずかしい思いをしました。
報国寺も良かったけどこちらの茶席も静謐で、目の前の枯山水の庭園が美しい。また縁側の脇に「水琴窟」と書いてある竹筒があり、ここに耳をあて耳をすますと水滴の落ちる澄みきった音が聞こえてきて、楽しい。お勧めの場所です。
浄妙寺は猫が多く(不思議と似た毛並みの猫ばっかりです)、そのへんをうろうろしています。私は猫が大好きなのでそのへんも良かった。境内の裏には「石釜ガーデンテラス」というレストランがあってこちらも美味しいらしいので(ちょーっと高いですけどね)、また浄妙寺、是非行きたいです。
次回へ続く!
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