5年ほど前にこのアルバムのジャケットだけBLOGにUPしたことがあったんですが、そのときはこのジャケットのことについてしか触れてはいませんでした(教科書にもこの画像が載ってますよね…云々)。正直なところ、そのころはまだこのアルバムの魅力に気づいてはいませんでした。カーティスならもっと派手でわかりやすいアルバムもあるし…だいたいカーティスの代名詞と言えばあの壮大なストリングスなんだから…と思ってたんですが、ふと今この30分に満たないアルバムを手に取り、聴いてみると(という気分になっている時点で、もう既にカーティスが私の中に蒔いた種が発芽しているようなものなんですが)、めっちゃくちゃハマるんですよね…。地味で内省的なソウルという印象は変わらないんですが、この不穏な隙間だらけのグルーヴの中で、カーティスはいつも通り誠実さに裏付けされた悲痛なファルセットを繰り出し続けます。このアルバムの中にあるのは救いではなく、救いを求める切なる願いだけであります。別にアルバム自体の中に救いが無くたって、それを求める気持ちさえあれば、それが聴く人の気持ちと同調したときに何らかの福音となることだってあるのだ、と私は思います。
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