奥多摩湖を抜けるといわゆる「大菩薩ライン」に入りました。依然として前に車がいてペースが上がらず、我慢の時間帯が続きます。気づくと山梨に入っておりました。正直なところカブを使って峠を越して関東平野を出るなんていうのは、明らかにカブの間違った使い方であります。私などはもうなんとも思わなくなってしまいましたが、見る人が見たら狂気の沙汰と思うかもしれない。ひょっとしたら一生山手線の内側から出ることのないカブだっているのかもしれないな…などと考えながら山道をひた走ります。いつもはiPodで音楽を聴いてるんですが、音楽がないとどうも余計なことを考えがちです。
マクドナルドでの打ち合わせでは、ここに来るまでに一本道を外れて林道を通ってくるつもりだったんですが、オレンジ上司があまりにもダート過ぎるというのでやめておきました。後にこの判断は正しかったということを思い知ります。
そうこうするうちに塩山に着きました。もうほったらかし温泉は目と鼻の先ですが、まだ時間も早く温泉に入るまでもないだろうということになり、クリスタルラインという道を通り大きく甲府市のほうを回って、日本百名瀑の一つ「昇仙峡」というのを見ようということになりました。
まずR210を使って「琴川ダム」を目指します。この道がなかなか素晴らしい。平日だからなのか我々以外に車も見当たらず、我々のエンジン音だけが響きます。途中カブを停めてみましたが、ほんとにシーンとしております。大きな声で叫ぶとやまびこも聞こえます。さらに山を登っていくとだんだんと枯れている木が増え始め、山肌が木の幹で白っぽく見え始めます。もうすでにこのぐらいの標高だと紅葉も終わっているようです。
琴川ダムはひっそりとこじんまりしたダムでした。高台にいい感じの原っぱがあったのでカブで乗り入れて写真を撮っていると、私の姿を撮影しようとした上司が立ちゴケしオレンジ号のクラッチレバーの付け根が折れるアクシデント発生。タイラップとガムテープで応急処置をして事なきを得ます。ていうか何で持ってるんですか。
琴川ダムを超えてさらに進んでいきます。だんだんと道が荒れてきて緊張感が高まってきます。特に前の日雨が降ってたから濡れ落ち葉がほんとに怖い。ちょっとでも踏んだらツルンっといきそうです。慎重に慎重に・・・と走っていたら石ころに足をとられ案の定転倒しました。速度を落としていたからかバイクも私もほぼ無傷。それでも心臓がバクバクいっております。泣きたい。ダートはほんと苦手なんですよ…。
210号からクリスタルラインに入り、今度は一転して道を下っていきます。転ばないように最新の注意を払って進みますが、それでも濡れ落ち葉→石ころ→濡れ落ち葉→石ころが間断無く続きます。無事下山できたときはよくわかんない達成感がありました。結局時間の都合上昇仙峡に行くのは諦めて、ファミレスで食事してから「ほったらかし温泉」に向かうことになりました。しかしツーリングだってのにマックとかファミレスとか、土地土地のものを全然食べてないのがカブ21らしいというかなんというか…季節感がないなあ。
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