20代前半ぐらいまでは、ロックに関して他人が知ってるバンドを自分が知らなかったりすると凄く焦ったりしてたんですが、最近そういうのが全然なくなってきた気がします。ロックも相変わらず好きなんですが、自分の気に入ってるバンドだけ掘り下げて深く聴いてればいいや…という、いわば音楽的引き篭もり状態です。というのは新しいバンドに触手を伸ばして失望する、ということがここ数年凄く多かったもので…。そんならマイブラとかティーンエイジ・ファンクラブとかウィルコとかR.E.Mとかソニック・ユースみたいな、いつ聴いても安心できるおじさんおばさん達の音楽から学ぶことのほうがずっと多いです。若い人の衝動からしか学べないことも確かにあることはわかりきってるんですが…。
というわけで私にとって安心できるおじさんの一人であるジェイソン・フォークナーの新譜です(ちなみに彼も今年40歳!)。1stは一人多重録音の傑作でありますが、あまり話題に上らない2ndも私は愛聴しており、常に新譜を心待ちにしている一人でありました。この人の曲はキャッチーだけど実にコクがあり(そういうところは私にとってXTCと近しいです)、ストレートな曲もどっかに捻りが効いてて結構耳に残るんです。で、一番感心してしまうのはそういう捻りが自然に沸いて出てきている感じがあるところですね。ひねくれようと思ってひねくれてないっていうか。図らずもひねくれてしまう、というところに彼の音楽が抱える一抹の悲しさ(つまり、バカ売れすることは決してない=一生大金持ちにはなれないであろうということ)が見え隠れして、そういうかたには私はどうも思い入れが強くなってしまいます。
そんな私の思いを知ってか知らずか(知るわけない)、本盤も粒ぞろいの楽曲が並んだ名盤であります。これを偉大なるマンネリズムと取るよりも円熟と取るのは私の愛情の成せる業か。く○りとかいうバンドと絡んでなきゃ満点でした。
[追記] 全然関係ないですけど、「アンタッチャブル」の漫才のネタはどれも面白いと思います。
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