音楽:菊地成孔で劇中にビル・エヴァンズ・トリオ「マイ・フーリッシュ・ハート」が使われてるということで、これは観なくちゃなるまい…と思っていた一本。オープニングのバーのシーンからいきなり「マイ・フーリッシュ・ハート」が使われてます。ある年のクリスマス・イブ。東京に「ゴッド」と呼ばれる得体の知れない人工衛星の破片が降り注ぎ、それが東京一帯に大停電を引き起こします。そこから始まる、いわば現代のおとぎ話。
キャンドルが敷き詰められたジャズバーのシーンがとにかく美しくて、ストーリー自体も凄くよく出来ているんですが、このシーンを見せるための映画なのかもしれないな…と思いました。最初は無関係に思えていた人々が次第に繋がり、大停電のたった一夜を過ごした後に、一人一人にスプーン一匙ぶんぐらいの深みが付与される…それを描く手際には飽きることがありませんでした。大停電という状況を生かした真っ暗な画面の中に、青白い光が俳優たちの顔を美しく浮かび上がらせます。奥行きを感じる構図が多く心に残ってます。
豪華出演陣の中でも、特に吉川晃司と田畑智子のコメディアン&コメディエンヌぶりが心に残りました。
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