まだ見てなかったのか、という突っこみがありそうですが、最近バート・スターン監督の「真夏の夜のジャズ」観ました。これは…いいっすね。1958年に行われたニューポート・ジャズ・フェスティバルの四日間の演奏をとある一日の出来事のように編集しています。オープニングのときぞろぞろ出てくる演奏者のクレジットを見てるだけでわくわくしてきます。ジャズなんて一度も聴いたことない一人の人間をジャズ狂にさせるだけの根源的な力がありそうです。個人的に面白かったところを箇条書きすると、
・真昼間に登場したアニタ・オデイの凛々しさ
・ダイナ・ワシントンの「オール・オブ・ユー」の絶唱
・アート・ファーマーが入ったジェリー・マリガン・カルテット
・サッチモとジャック・ティーガーデンが身を寄せ合うようにして歌う「ロッキン・チェアー」(これがベスト!)
オーラスのマヘリア・ジャクソンのぼーっとしてると魂が抜かれてしまうような歌唱やセロニアス・モンクのトリオ(一曲じゃ少なすぎる!)も良かったです。
あと薄暗い家の中で上半身裸で煙草吸いながらバッハの「無伴奏チェロ組曲」弾いてるシーンがかなりかっこよかったんですけど、あれ誰なんでしょうかw
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ジェリー・マリガン・カルテットで思い出したんですが、「L.A.コンフィデンシャル」(ジェームズ・エルロイ原作、小説のほうは未読)ってサスペンス映画再見したんですが、これは舞台が50年代のロサンゼルスなんです。最近知ったんですがこの映画の中にチェット・ベイカー入りのジェリー・マリガン・カルテットが登場してたんですね。パーティのシーンでバックで演奏しております。わざとフォーカスを合わせてないようですが…。それからこれは観てて気づいたことなんですが、バーのシーンで後ろでかかってる曲はチェット・ベイカーの「ルック・フォー・シルヴァー・ライニング」ですね。私の凄く好きな曲です。いずれにせよかなり細かい演出で感心しました。50年代アメリカの抱える暗部とベイカーの心の闇が交錯します。映画自体も大どんでん返しがあったりしてむちゃくちゃ面白いので観てない人いましたら是非。
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