「ダークサイド・オブ・カントリー・ミュージック」、一言で言えばそうなってしまうんだけれども、我々が「カントリー・ミュージック」と聞いたときに想像する朗らかなイメージ(私が苦手とするものです)を一変させるほどの力を持った、痛々しい、おどろおどろの世界が展開されるジョニー・キャッシュの音楽です。晩年の(と言いたくないぐらい力強いですが)五作品はリック・ルービンによる生々しいプロデュースが施されており、文学でいうところのエドガー・アラン・ポーあたりから脈々と続く「アメリカン・ゴシック」の流れに位置づけることができると思います。
私は彼の声みたいな「太く・低く・朗々とした」声っていうのが結構好きです。例えば…アイザック・ヘイズとか、バリー・ホワイトとか、スコット・ウォーカーとか。サッチモ…はちょっと違うかw こう並べてみるとこういった声の持ち主っていうのは、白人だとゴシック的な表現に向かっていくし、黒人だと「性愛」的な表現に向かっていくのがなかなか興味深いと思います。
最近のコメント