理由が何かはわかりませんが、現在絶版の対談。五年以上探してたんですがようやく読めました。現代の地点から見ると問題意識に少々古臭い部分も散見される気がするんですが、それでも二人がここで熱く語っている「こういう小説を将来書いていきたい」という決意が確実に果たされている(無論大きく逸れている部分もある気がします)ことを鑑みると、小説家としての彼らの体力がこの時点である程度備わっていたことを証明しているように思えます。そしてそれはおそらく彼らにとって幸福な達成であったのではないかと私は想像します。
ところで私が図らずも共感してしまったのは村上春樹氏のこの一節。
春樹「でもいまでもね、何がしあわせかっていうと、家に帰るでしょう、だれもいなくてね、電気が消えてて真暗というのがいちばん好きなのね」
龍 「フーン」
春樹「みんなそうじゃないというからぼく非常に驚くんだけど。みんな家に帰ってさ、電気ついてて、お帰りなさいといって、お茶でもわかしてくれると、すごくしあわせだっていうんだね。でもぼくはね、家へ帰ってきて電気が真暗でさ、郵便受けに何かがいろいろこんなに溜まっててさ、自分で電気つけて自分でお湯わかしてというのが好きなのね。」
[追記]何回か書いてるんですが、私は数ヶ月に一度ぐらいむちゃくちゃ本をいっぱい読み込める時期があります。20〜30冊ぐらい。それ以外の時期はあんまり本読まないほうなんですが…。今は結構難解な本でもガツガツ読めちゃう時期なので、積んであった本を読み進めてます。ジェイン・オースティンの小説を「ああつまんねーつまんねー」とか思いながら読み終えて(←読んだんかい)シェイクスピアの「リチャード三世」読んだらすっごく面白かったですねえ。
その読書欲が大変うらやましいですね。
大の読書嫌いゆえ・・・。
投稿情報: 主宰 | 2006/09/14 01:34
読書嫌いなのによく論文書けるよねえ。むしろ
そっちのほうが凄いと思うわ。皮肉じゃなく。
でも私読まないときは何も読まないですよw
ほんと。新聞すら読まない。
投稿情報: yoji@川口満喫中 | 2006/09/14 09:53
W村上のそんな対談があったんですね。
海辺のカフカ以来春樹氏もださないねー。
最近は漫画と仕事関係の書籍しか読まないなー。
やはりyoji君は、フリーランスのライターとかどうなんだろう。。
投稿情報: わら | 2006/09/14 20:37
「海辺のカフカ」以降も長編出してますよ。「アフターダーク」というやつ。私は読んだんですけどあまり気に入らなかったですが。短編集の「東京奇譚集」はまだ読んでないです。
投稿情報: yoji@川口満喫中 | 2006/09/15 13:16