とうとう私のBlogに初登場のコルトレーンなんですが、今まで聴いたコルトレーンのリーダー作の中では最も気に入ってる一枚。最初に聴いたときの印象は「この人は一体何をそんなに苦しんでるんだろう?」というものでした。ジミ・ヘンドリクスとかジム・モリソンの音楽と同様、彼の音楽もまた「我々の痛みや苦しみを背負ってくれる、そして解き放ってくれる」という幻想、悪く言ってしまえば「隙」があったのではないか?と私は考えています。でもそこで話を止めてしまうと、60年代にしか成立しなかった音楽である云々で話が終わってしまって甚だ非生産的だとも思います。とてつもなく難しいことだと思うけど、ただ純粋に耳を澄ませてみる…それだけで脳髄の中心から溶解していくような快感が得られます。一見フリークアウトしているようで宇宙へと飛び立つのではなく地上でグズグズともがき続けているだけ…という悲壮感。全曲壮絶な演奏をみせるのですが、最終曲「インプレッションズ」ではドラムスのエルヴィン・ジョーンズとコルトレーンががっちりと絡みつき未踏の荒野を転げ回っていくような怪演を見せます。聞き終わると短距離走を走り終わったときのような疲労感を覚えます。
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