最近ディズニー映画関連の音楽について非常に興味を持っておりまして、そういったCDを借りてきてせっせと聴いております。前々からアメリカ西海岸の、いわゆる「バーバンク・サウンド」みたいなものをよく聴いていて、前サイトをやってたころはそういったものの研究じみたことをやっていたんですが、バーバンクをどんどん辿っていくと、結局はディズニーという共通の岩盤に突き当たらざるを得ないということがわかったわけです。ランディー・ニューマンとかヴァン・ダイク・パークスとか実際に絡んでる人もいるわけだし。だから「わかった」っていうか元々「わかってた」んですけど、見えないふりをしてました。なぜかっていうと流石に成人男性がいまさらディズニーディズニーと騒ぐのも恥ずかしいし、以前一度書いたことあるんですが、私にとってディズニーってもはや「恐ろしい」存在だったんです。しかし、そういう個人的な諸々の障害を取り除いていくつかディズニー関係の音楽を聴いてみると、これがむちゃくちゃ面白いんです。とりわけ、というかやっぱりというか、60年代以前のものがほんとに面白いですね。なにが面白いのかというと、一言でいうとあの「曲解ぶり」っていうか、歪みかたっていうか、デフォルメですよね。北米という暗黒の大陸の土着的な神話とかフォークロアとかまで沈潜していって、そういったものを白人至上主義的に、小さいところを異常に膨らませたり、本当は言わなくてはならないことを抹殺したりして力づくで誇大妄想化していく手腕は、やっぱり身震いするほどの恐ろしさがあると同時に、抗いがたく魅力的です。「一皮剥いたら何もないかもしれない」という恐怖っていうか、カキワリの世界っていうか、パラノイアっていうか…そういった感覚はブライアン・ウィルソンやジャクソン5の音楽にも通じていると個人的には思っています。
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