60年代のA&M系ソフトロックを漁っていれば必ず目にするアレンジャー、ニック・デカロの仕事集。これを聴けば、アレンジャーの仕事というのが楽曲をどれほど大きく左右するかというのが実によくわかります。ロジャニコ「ラブ・ソー・ファイン」はソフトロックを代表する超名曲だと思うんですが、アレンジが酷かったらただのつまらない曲になっていた可能性も大いにあるなあ…と思いました。簡潔にして効果的、斬新なのにセンスが良くて飽きがこない、さらに引き出しがとても多い(このCDの中の楽曲全てを同じ人がアレンジしているとは到底思えません)のに、詰め込みすぎてクドくなるということがない。90年代に突如再評価された(そして今でもその効力は持続している)彼の超モダンなDJ的センスはこちらのCD一枚買ってじっくり聴いていただければよくわかると思います。とにかくニック・デカロという人は物凄く「耳が良く」、努力家だったんだろうなあと想像できます。
こちらの"Chances Are'はニック・デカロプロデュースではないですが、素晴らしい演奏です。
最近のコメント