Amazonで買った何枚かのアルバムを寝っ転がって流し聴きしていて、思わず飛び起きた驚異のジャズ・ファンク。つまらない瞬間がほとんど見つからない。この前のメイシオ・パーカーも凄かったけど、これもまた私の今まで聴いたライブアルバムの中でもベストの一枚。帯には仰々しい言葉の数々が並んでいますが、全く言い過ぎではありません。他人と同じ楽器を使っているはずなのに、どうしてこんなケダモノのような音像が現出するのか、という素朴な疑問を抱かせます。
ビリー・ウッテンという人はヴァイヴ奏者で、グラント・グリーンがブルーノートに吹き込んだアルバムに加わっていた才人。しかしこれはいわゆるモダンジャズではありません。全編アブストラクト・ヒップホップのサンプリングソースに切れるような、むしろこれがアブストラクト・ヒップホップそのものであるかのような驚異的にタイトなドラム。そこにワウをかませたギターとこれ以上なくファンキーなオルガンが加わるコンボなんですが、一歩踏み外すとあとは奈落、というドス黒いグルーブが横溢しています。特にヴァイヴとオルガンによるカカオ90%のチョコレートのような甘く分厚い壁!とても四人の演奏と思えない!狭い地下の蒸し風呂のようなクラブに集まっていることを想起させる、オーディエンスも(嫌が応にも)盛り上がる。それらがやさぐれた音質で耳に届いてくるときの快楽たるや!この良さはうまく言葉になりませんね。ジョージイ・フェイムのフラミンゴでのライブを真っ黒けにしたようで、ジミー・スミスのオリジナルアルバムとか聴いてるより断然面白いです。とにかくおすすめなので一度聴いてみて欲しいです。
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