11月某日。数時間の睡眠(一時間ぐらいだったように思います)を経て目覚めました。絡み付いてくる仕事はあるけれどもとりあえずは沖縄に行かなければならない、と私はぼんやりした頭で思いました。なんとしてでも退屈な日常を蹴り飛ばさなくては。 歯を磨きながらネットで天気を調べてみると、東京は爽やかな秋晴れになるとの予報でした。スーツケースの中身をもう一度指差し確認してから、飛行機の出航2時間前に川口駅に向かいました。
今回の旅行からスーツケースを導入してみることにしました。人生で初めてのスーツケースです。結構いい値段するんだけど一生ものだから…という言い訳を自分にしつつREMOWAのCLASSIC FLIGHTを買いました。それをゴロゴロと駅まで引いていったんですが、なるほどこれは便利なものです。アルミなので軽いうえに歪まないのです。
川口駅から浜松町に向かい、東京モノレールで羽田第二ターミナルまで向かいます。東京モノレールに乗るという非日常感で、睡眠不足による眠気が吹っ飛びます。
アホな話なんですが、この辺からだんだんと「羽田までって意外と時間かかるのではないか…?」ということに気づき始めます。搭乗の受付が15分前までなのに、だんだんと雲行きが怪しくなってきました。快速のモノレールに乗ったはずなのに、全然空港が見えてこない。
結局空港に着いたのが離陸の10分前ほどで、真っ青になりました。私はANAの往復のチケットとホテル三日分をまとめて買ってあるので、もしこれが乗れないということになると最悪の場合全部パー、ということになってしまいます。ANAの自動チェックイン機の前にいるお姉さんにほとんど半ベソで(ああ、半ベソってこういうとき使うのか)窮状を訴えるとあくまでもクールに「お待ちください」と一言言い残し、奥へと消えていきました。ハラハラしながら待っていると戻ってきて「一応時間内には到着していたということで、今回だけということで…」と、一時間後の便に振り替えてくれました。全く文句ありません。ほんとはお姉さんの手を取って涙を流しながら感謝したかったんだけど、そんなことして取り消されても困るし、こちらもクールにお礼を言って立ち去りました。そんなことしたら社会的な立場もついでに取り消されそうです。今後は「羽田は意外と遠い!」ということを肝に銘じておきたいと思います。
とにかくほっと一息つき、冷静にターミナル内を見渡せる余裕が出ました。早々と荷物を預け(これがREMOWAの見納めになったら嫌だなあ…とか考えていた)身軽になったところで手荷物検査を受け、自分の飛行機を見に行きました。
新しいターミナルは綺麗だなあときょろきょろしながら自分の乗る飛行機のゲートに行ったら、修学旅行生がわんさかいてぐったりしました。それにどう贔屓目にみてもあまり頭良さそうな高校ではない(男子生徒なんてみんなホストみたいな髪形をしている)。しかもじっと見てるとどうも私と同じ飛行機に乗るようです。気を取り直して自分の飛行機を見に行ったらポケモンジェットでした。どうも飛行機関係では今日はいいことがなさそうです。
定刻に離陸して、コーヒーをもらって飲んだりしているとやっとリラックスできました(修学旅行生たちは二階に行ってしまった)。ふと隣の隣の座席の人を見るとオレンジ上司に激似で焦る(冷静に考えたらスポーツ新聞読みながら沖縄行きの国内線に乗っているわけが無い)。飛行機がヒマだからぼんやりペーパーバックを読んでいるといつの間にか眠ってしまいました。
飛行機の着陸の振動で目が覚めました。那覇空港の向こうに青い海が見えます。紛れも無く沖縄だ!ぐっすり眠って頭もすっきりしています。
11月だというのにムッとする熱気に驚きながら手荷物を受け取り、案内に従って「ゆいレール」に向かいました。まずホテルに向かい、荷物を預けてから予約してあるカブを借りに行くつもりです。
「ゆいレール」は二両しかない、可愛いモノレールです。「ゆいレール」のところどころから見える沖縄的な建物と青い海に感動しつつ「美栄橋」の駅に向かいます。
今回私が予約したホテルは「リッチモンドホテル・那覇久茂地」という、まあいわゆるビジネスホテルです。駅からは数分というところにあります。R58に面していて、3,4分歩けば国際通りという結構恵まれたところにあるので今回のベースにしました。全然高くないホテルなんですが対応も良く、安心して荷物を預けてまた「ゆいレール」に乗り込みました。
「ゆいレール」の空港行きに乗り、今度は奥武山公園で降りて、カブを引き取りに行きます。レンタルバイクの店に入ると「15年後の土屋アンナ」みたいなお姉さんが受付してくれました。早速四日間行動を共にするリトルカブ君とご対面…黄色いリトルカブ、セル付き四速です。まだ1400kmしか走っていない。どうも長いこと誰も乗ってなかったのを整備しなおしたそうです。レッグシールドはアウスタで売ってそうなものに変更されていて、後ろに黒い箱がついています。これは便利そう。沖縄の道路は雨が降るとスリップしやすいので気をつけてくださいという忠告を受けると、私はお礼を言って国際通りに向けてカブを走らせました。
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