いきなり余談なんですが、私は「ライブ・スティッフス」のジャケットを見てると、喩えは悪いけど新宿の「物真似ショーを見世物にしているパブ」の看板にしか見えなくなってくることがあります。それは何故かっていうと、あそこに映っている連中のキャラが妙な具合に立ちすぎていることと、各人が皆どことなく紛い物っぽいところに起因しているのではないか?パブロックって音楽の面白いところは、狭いシーンなのに似たような音楽をやってる人があんまり見当たらないところで(それがグラスゴーと違うような気がする)、それはぶっちゃけ経済的な問題があったんではないかと私は思っております。あまりにもシーンが狭いから似たような音楽やっちゃうと限られたパイを奪い合うことになってしまう。だから各人が意識しあって…とまではいかないかもしれないけど、住み分けがあったのはれっきとした事実です。例えば月曜はブリンズリーズ観に行って、火曜日はコステロ観に行って、水曜日はフィールグッズ観る、って感じで。それは新宿に永ちゃんの真似をする人が二人としていないのと似ている、ような気がしてなりません。
さて、イアン・デューリーの本盤ははっきりいって無条件の名盤。彼は前述のパブ・ロッカーの中では一番芸人寄りだったのに、無理してやってる感が無かった希有な例かもしれません。こんな人、パブロックなんて狭いくくりのみならず、どこにも見当たらない気が…。大団円を迎える代表曲"SEX & DRUGS & ROCK & ROLL"や後のバンド名義になる"BLOCKHEADS"もいいですが、私は"Sweet Gene Vincent"って曲が好きです。
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