先日久々に早稲田に髪切りに行ったので、帰りに面影君の心のふるさととでもいうべき、都電荒川線の面影橋駅に立ち寄りました。ここは大学に通ってるころに数えられないぐらいカブで通った、新目白通り沿いにある駅なのですが、実際に降り立って周辺を歩いてみたのは初めてでした。特に買い物が出来そうなところもないけど、一歩裏手に入ると静かで実にいいところです。頑張れば目白にも高田馬場にも歩いていって買い物することができるでしょうし。おまけに神田川沿いはずううっと桜の木が植えられていて、春になると凄く綺麗なんです。
こちらによると、かの太田道灌の「七重八重~」の話が実際にあったのがこの面影橋周辺だったそうです。この話は私は昔古典落語全集を読んでるときにパロディとして出てきた覚えがあります。女の役を奥さんにやらせて、自分が太田道灌役をやって失敗する、というような話だったような。そのせいもあり、面影橋は神田川にかかる橋の中でも知名度の高いものの一つなんだそうです。
さらにこちらによると、面影橋という駅名の由来は、
昔、この近くに住む和田某の娘お戸姫が、その美貌ゆえに次々と災難に会うのを苦に髪を切り、深夜この橋の上で変わり果てた自分の面影を川面に映したという悲話による
とのことです。しかしよく考えてみれば私にも面影君にもおよそ関係なさそうな話題だなあ。また面影橋は田山花袋「生」や、阿刀田高「面影橋」などの文学作品にも登場しているそうであります。
そんな面影橋にまつわる因縁を知ってか知らずか、哀れな面影君は終始どうでもいいといった素振りで、乗り手にバシャバシャとしょうもない写真を取られ続けているといった、寒風吹きすさぶ、とある一月の一日でありました。
[追記] とても工場見学に行きたい。
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