2007年12月2日。雲ひとつ無い快晴であります。私は7時ごろ起床し、数ヶ月前に申し込んでおいた川口マラソンに参加するため、自宅からてくてく歩いてスタート/ゴール地点の川口市立青木町公園へ向かいました。家が近いとほんとに楽ですね。今日は義兄が膝を痛めて不参加になってしまったので、ひとりぼっちです。
私は先月靭帯を痛めて、明らかに練習不足の状態で本日を迎えたわけですが、特に不安も緊張もありませんでした。こういうときすぐ腹がくくれてしまうのは私の(数少ない)長所の一つである、と思います。昨日6kmほど走ったときも患部が痛くなることは無かったし、痛み止めも飲んだし、これで痛くなったらそのときはそのときです。
通いなれた青木町公園が見えてくると、そこには私が毎日走っている青木町公園のしんと静まりかえった光景はありませんでした。凄い人の数です。記念品とゼッケンを受け取り、ストレッチと準備運動をして、いつも走っているコースを2kmほど走り、身体を暖めました。
レースが始まるまではまだちょっと時間があったので、会場内をぷらぷら散策しながら色んな写真を撮っていました。
先導車もちゃんとつきます。なんかマラソンっぽい(←マラソンです)。
屋台も出ていました。食べ物は団子、甘酒、ラーメン、お汁粉、焼き鳥などなど。
スタート/ゴール地点です。ゼッケンにICチップみたいなのが付いてるので、自動的にゴールが判定されます。結果もすぐにわかります。近未来的。
---
午前9時30分。とうとうスタートの時刻になりました。競技場を半周回ってから川口市街へと向かっていきます。長いこと休んでいたので、私は具体的な数値を目標にすることは止めました。なんといっても初めてのハーフマラソンなんだし、とにかく完走だけを目標にしました。
走り始めると意外と何本も橋があり、アップ&ダウンを繰り返さなければなりませんでした。私は練習では常に平坦な道しか走っていないので、坂道にはまったく慣れておらず、その場その場でなんとかしのいでいくしかありませんでした。ちょっとした上り坂でもレース終盤になると地獄のように苦しくなるのです。結局最後まで坂に関しては慣れることが出来なかったような気がします。最後のほうは「もう坂だけは来ないでくれ」と心の中で念仏のように唱えていた覚えがあります。
沿道では沢山の人が声援を送ってくれます。地元の和太鼓クラブ(そういえば私も昔やってたな…)の子供たちが初午太鼓なんかを叩いてくれています。そういった声援って、いざ走る立場になると、物凄く嬉しいものです。ひょっとしたら子供たちだって急がしいのに日曜日の朝早く叩き起こされて、寒空の下「かったるいなあ~」なんて思いながら太鼓を叩いているのかもしれません。それでも確かに私は勇気をもらいました。それからチョコレートなんかを差し出してくれる人もいました。私も一個いただきました。ありがとうございました。私は消防士の格好をした人と併走する場面が多かったのですが、沿道から「消防士さん頑張って!」と声援が飛ぶことがよくありました。目立つ格好をしてると声援が沢山もらえるようです。じゃ私は来年はメイド服あたりで…。
5kmにある一回目の給水はスルーして、10kmの給水はきっちり取って、いよいよ後半戦に入ります。ここまではかなりいいペースできていると思います。前回の10kmのレースとだいたい同じペースです。そしてここから先は私にとって未知の世界、未踏の領域ということになります。ちょっと背筋がぶるっとくるものがあります。今のところはまだ足も動くし、お腹も痛くはなっていません。今回のレースで苦手の給水は克服できた気がします。
カブ関係でいつもお世話になっている東川口の「2りん館」の前を通り過ぎたあたりから、だんだん足が動かなくなってきました。ペースを上げようと思ってストライドを伸ばしているつもりなんだけど、ラップタイムは確実に落ちていきます。1kmごとのラップタイムが一分ほど遅くなり、私は青くなりました。
15kmを過ぎたとき、突然右足のふくらはぎが痙攣を起こし始めました。運動中に足が攣る、といった経験はかつてなかったんですが、ちょっと涙目になってしまうぐらい痛い。しかし私はどうしても歩きたくありませんでした。歩いたら楽だろうなとは思うんですが、それでも歩こうという気には一度もなれませんでした。歩いている人も結構いたんですが…。むしろ信じがたいことに「もう二度と走れなくなっても構わないから、最後まで自分の足で走らせてくれ」と、誰に向かってかはわからないけど祈り続けていた気がします。今考えてみるととても正気の沙汰とは思えないですが、そういった思いが自分の中から自然と出てきたことは、私にとっては驚きでした。私は一度も足を止めることなく、なんとか走りながら足を伸ばして痙攣を抑えました。5分ほどでとりあえず痙攣はおさまりました。
痙攣が治まったところで坂道は多く、もう最後のところはほんとに気力だけで走っていました。カブもジャズも女の子も文学も次第に消え去って、魂だけがふらふらと彷徨っていました。その瞬間に私は自分の中に何かきらめくものを見た気がします。
とうとうスタート地点の競技場が見えてきました。あと1kmといったところです。足が攣って立ち止まっている人を何人も追い越しました。ここでほっとしたのか、再び足が攣りそうになりました。それを懸命にこらえ、競技場に入ってゴールし、ペットボトルの水を貰うと私は芝生に倒れこんでしまいました。しばらくは動けませんでしたが、最後まで走りきれたという嬉しさが次第にこみ上げてきました。
タイムは2時間9分という平凡(以下)のものでしたが、私は非常に満足しています。早くも次のマラソンのことだけを考えています。やっぱり青梅マラソンだな…。
すげえ。
お疲れ様でした。
投稿情報: のえ | 2007/12/03 21:30
ありがとうございます。疲れました。
投稿情報: yoji | 2007/12/04 00:24