未だかつて誰も到達していない(目指す気も失せるのか?)、紛うかたなきフィレス最高傑作。ロネッツ後期作品すら突き抜け到達したエコー桃源郷(=地獄)。アイク(彼は製作に関わってないそうですが)、ティナ、そしてスペクターという三者三様のキ○ガイが織り成す曼荼羅絵巻。天井からぽたぽた雫が垂れてくるほど湿度の高い大浴場に、バンドのメンバーとコーラス隊とブラスセクションとストリングスを押しこめて「せーの!」で鳴らすとこうなった、とでもいうような…。ストリングスの回し方もとんでもない。アメリカでは不発に終わったということですが当然の帰結のような…。これがチャート1位に輝いちゃってたらアメリカの歴史も変わっていたかもしれない、と本気で思います。
表題曲も勿論素晴らしいですが、一聴してずば抜けてると思ったのは"I'll Never Need More Than This"。初めて聴いたときは頭の中がどうにかなっちゃうんじゃないかと思いました。こんなに奇妙にうねりまくる音像は聴いたことが無い。この一曲を聴くためにCD買っても損はしないはず。刻一刻変化し続ける狂気の様相。
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