最近ほんと物忘れが酷くて、彼のことについても書いたことあるかどうか全然思い出せないんだけど、今日はバーナード・バトラーについて書きたいと思います。スウェードの天才(少年!)ギタリスト時代、ソロ時代、マッカルモント&バトラー時代、そして現在のThe Tearsへ…とキャリアのどこを見ても黙して頭を垂れるしかない作品を残している、現代における希有なアーティストの一人である…と私は思いますよ実際。個人的にマッカルモント&バトラーも非常に質の高い音楽であったと思います。下世話な話ですが、ライブを見たことないのでどういうかたなのかよくわからないけど、もし仮に私が女の子だったら確実に好きになってるアーティストだと思います。余談だけど顔も好きなんです…ああいう線の細い犬顔と言ったらいいのか。顔だけだとブラーのデーモンのような顔が好きなんです。日本人だと伊藤英明とか(顔だけね)。なんかのインタビューで「僕は猫と彼女とギターがあればそれだけでいいんで…」みたいなことを言ってたのも印象に残っています。まあ一種のギター馬鹿ですよね。そこがいいんだけど…。
彼の音楽について考えてみると、確かにマッカルモントと組んだものを聴いてみたりするとメロディメイカーとしても卓越した才能を有していることがわかるんだけど、やはり彼はそのギタープレイが最も印象的であり、一つの輝ける伝説として後世に伝えられていくべきではなかろうか?と思います。彼のギターの音色については「官能的」と評されることが多くて、それもわからなくはないんだけど、私はこれこそまさに「ソウルフル」であると声を大にして言いたいです。痩身を削り、魂を軋ませながら弾いている…という意味での「ソウルフル」。これもまた一つのブルー・アイド・ソウルなのかもしれません。
60年代後半以降エレクトリック・ギターはロックという音楽の中で神格化されていったけれども、その流れを作った人物…例えばジミー・ペイジであるとか、ブライアン・メイであるとか、そういった人と同じ資質…つまりテクニックだけなら凡百の人が持ち得るんだけど、そこに魂を注ぎこみ、代々のリスナーの聴取に絶えうるソロを残せる才能…を彼も有していると思います。バーナードが前述の二人と異なるところは、確かにギターを弾く姿はステージ上で完璧にキマっているんだけれども、「ここは僕のいるべき場所ではない」という雰囲気がまとわりついているところだと思います。「サウダージ感」とでもいうのでしょうか。これは非常に個人的な見解ですが。
私の最も好きなバーナードがらみのアルバムはソロ第一作目の「ピープル・ムーヴ・オン」。ここに至って彼のギターは天井知らずの伸びやかさを見せる。聴いた人は誰でも気づくと思うけれども、このアルバムの中では彼の声よりずっとギターのほうが雄弁である。
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