今まで接したことのある80年代に登場したアーティストの中でも、個人的に最も才能を感じた人物の一人がこのロディ・フレイムという早熟の青年でした。初期のこの人の才能というのは、汲めども尽きぬという形容がぴったりとあてはまるほどそれはそれは凄いものだったと思います。羨ましいと思うことすら出来ませんでしたね。あるシーンの流れを、たった一人で完全に断ち切り、転覆させ、誰もが予想だにしなかった全く新しい価値基準と評価体系をうち立ててしまった。その功績は計り知れないでしょう。
このアルバムは彼の近年の作品。メロディーメイカーとしての未曾有の才能が全篇を覆っているのは勿論だけれども、ギター一本による弾き語り形式にも関わらずちっとも「枯れた」印象が無いのが驚異的。常に切り裂かれたての断面を我々に見せてくれる才能がここにも。
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